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昼の営業が終わるのは14時です。のれんを店の中に入れ、スープの寸胴の火を細くしてから、店主はようやくカウンターの端の丸椅子に座ります。
3週間前のその時間に、娘さんがスマホの画面を見せに来ました。Googleマップに、新しい口コミが1件ついていた。
(例)★★☆☆☆
昼に入って、ラーメンと半チャーハンが出てくるまで25分。味はおいしかったけど、昼休みの会社員にはきつい。混んでいるなら入る前に言ってほしかった。
店主は「昼の本店の厨房は2人なんだから仕方ない」と言って、前掛けで手を拭きました。返信は、それきりです。
(ここに出てくる会社と人は、よくある例を組み合わせた作り話です。)
返信を読むのは、書いた本人だけではない
口コミへの返信は、投稿した人への手紙のように思えます。
実際に読むのは、これから昼をどこで食べるか探している人のほうが多いはずです。店の名前で調べて、★の数を見て、低いものから開いて読む人もいます。
★2の口コミの下に、店からの返事が何も無い。それを見た人は「待たされる店なんだな」と受け取って、画面を戻すかもしれません。
同じ★2でも、下に店の返事が1つあれば、読む人が受け取るものは変わります。
待たされたことは消えません。それでも、店がそれを読んでいて、何かを変えたのかどうかは分かる。昼休みが45分しかない人なら、そこを見てから入る店を決めることもあるでしょう。
Googleの側では、返信はこう扱われる
手を動かす前に、Googleのヘルプで仕組みを確かめておきます。2026年9月28日に、公式ヘルプの日本語ページで次のように書かれていました。
| 項目 | 書かれていること |
|---|---|
| 返信できる人 | ビジネスのオーナー確認を済ませた人 |
| 返信のしかた | ビジネスプロフィールで[クチコミを読む]を選び、返信アイコンから入力して[返信] |
| 公開まで | Googleがポリシーに合うかを審査。通常10分以内、最長で30日ほど |
| どう見えるか | 口コミの下に、企業からの返信として表示。返信した人の個人名は出ない |
| 投稿した人には | 返信が公開されると通知が届く。読んだあとで口コミを変えることもできる |
| あとから | 返信の編集・削除ができる |
出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ユーザーからのクチコミを管理する」(https://support.google.com/business/answer/3474050?hl=ja)
画面の名前や手順は変わることがあります。
この店のように、昔だれかが登録したきりのプロフィールだと、店主のGoogleアカウントには管理の権限が無いことがあります。
最初の仕事は返信文ではなく、登録した娘さんと並んで、どのアカウントで管理しているかを確かめることでした。そのアカウントに入れるようになるまで、20分かかりました。
★5に毎回「ありがとうございます」を書かなくていい
この店主が返信してこなかった理由は、もう1つありました。「38件ぜんぶに書く時間は無い」。
Googleのヘルプの「効果的な返信を書くためのヒント」には、こうあります。
「簡潔に: 顧客は、誠実で役に立つ返信を好みますが、長すぎる返信は読む気をなくす可能性があります。」
出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミを増やすためのヒント」(https://support.google.com/business/answer/3474122?hl=ja)
同じヘルプには「一度訪れただけではわからないような情報を知らせます」ともあります。★5への返信は、お礼よりも、次に来る人の役に立つ一言を足す場所だと考えると書きやすくなります。
たとえば「12時40分を過ぎると、たいてい席が空いています」「駐車場は店の裏に4台」「持ち帰りは電話で先に受けています」。口コミを読みに来た人が、次に知りたいことです。
返信の型をAIに作らせる
毎回ゼロから書くと続かないので、型を3つだけ用意します。★4と★5用、★3用、★1と★2用。
型づくりはAIに頼めます。ChatGPT、Claude、Geminiなら、無料版のままで十分です。
町の中華料理店で、Googleマップの口コミに返信する文の型を作りたい。
店の事実: ラーメン・定食・一品料理。昼は11時半〜14時、夜は17時半〜21時。駐車場は店の裏に4台。持ち帰りは電話で受付。
★4と★5用、★3用、★1と★2用の3種類を、それぞれ120字以内で。
条件:
・口コミの内容に合わせて差し替える所を【 】で示す
・「貴重なご意見」「今後の参考に」のような決まり文句は使わない
・値引きやサービスの約束は書かない
・★1と★2用は、言い訳をせず、事実と、次から変えることを1つだけ書く形に
「値引きやサービスの約束は書かない」を入れたのは、同じヘルプに次の一文があるからです。
出典: Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミを増やすためのヒント」(https://support.google.com/business/answer/3474122?hl=ja)
消してもらう見返りだけでなく、書いてもらう見返りも入っています。レジの横に「★5を書いてくれたら杏仁豆腐1つ」と貼るのは、この一文にそのまま当たります。★2への返信で「次回は餃子1皿おまけします」と書くのも、同じ線のすぐ手前です。
この店で最初に出てきた★5用の型は、こんな形でした。
「ご来店ありがとうございました。【頼まれた料理】を気に入っていただけてうれしいです。昼は12時40分を過ぎると落ち着くので、ゆっくり食べたい日はその頃にどうぞ。持ち帰りは電話で先に受けています」
お礼は最初の一言だけで、あとは次のお客に向けた話になっています。
出てきた型は、店主が声に出して読んでみます。自分が言わない言い回しがあれば、そこだけ直す。この店主は「させていただきます」を2つ消して、「うれしいです」を「ありがたいです」に替えました。
★2への返信は、一晩置いてから出す
低い★への返信は、型をそのまま貼ると冷たく見えます。【 】を埋めながら、その日の厨房を思い出す作業が要ります。
このときAIに口コミを貼って相談するのは構いません。ただ、予約帳を開いて、お客の名前や電話番号まで一緒に貼るのはやめておきます。返信の文を作るのに、それは要りません。
返信の文にも書きません。「いつも作業着でいらっしゃる工務店の方」と書くだけで、ほかの常連にまで誰の話か分かってしまいます。ヘルプにも、投稿者の個人情報を公開しないようにと書かれています。
店主が型から作った下書きは、最初こうでした。
「当日は団体のご予約が重なり、お待たせしてしまいました。ただ、昼の12時台はどうしても20分ほどかかります」
一晩置いて、朝の仕込みの前に読み返すと、後ろの一文が言い訳に聞こえた。消して、代わりに「混む時間の目安を、入口に出すようにしました」と入れました。
入口の横の小さな黒板には、白いチョークで「12:00〜12:40 お料理まで20分ほど」。その下に、持ち帰りの電話番号が書いてあります。
[返信]を押したのは、木曜の10時15分でした。店主はスマホをレジの横に伏せて、まな板の上のネギに戻りました。
PR口コミへの返信やGoogleマップの情報の手入れを、店の人だけで続けるのが難しい場合は、運用をまとめて任せられるサービスもあります。料金は公式サイトに載っています。
口コミを見たお客が、次に開くページを整えたい方へ: このブログの運営者は「ことばとコード」の屋号で、小さな会社のホームページとLPを、原稿づくりから公開まで受けています。スマホで見やすい作りにして、問い合わせフォームも付けます。
運営者自身のサービスの案内です。
登場する人と会社に、実在のモデルはありません。アイキャッチのイラストはAI生成です。


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