据置期間が終わる2026年 銀行に出す資金繰り表をAIで作る手順

仕事効率化・副業

2026年は、多くの中小企業にとって特別な年になります。

コロナ禍のときに借りた、いわゆるゼロゼロ融資。

その据置期間が明けるピークが、2026年4月から9月にかけて集中しているからです。

これまで利息だけを払っていた借入について、元金の返済が本格的に始まります。

しかも同じ時期に、金利も上がってきました。

この記事では、資金繰りが苦しくなる前にやっておくべきことを整理したうえで、生成AIを使って銀行に出せる資金繰り表と説明資料を作る手順を紹介します。

登場する会社や人物に実在のモデルはなく、地方でよく聞く困りごとを組み合わせて描いた架空の設定です。

よくある状況: 従業員16名の地方の運送会社。2020年にゼロゼロ融資で4,000万円を借り入れ、据置期間の延長を経て、2026年6月から元金の返済が始まった。月々の返済額はこれまでの約3倍になった。売上は戻っているが、燃料費と人件費が上がり、手元資金は目に見えて減っている。

2026年に何が重なっているのか

まず、いま起きていることを数字で押さえておきます。

返済が始まり、金利も上がり、コストも上がっている。

この3つが同時に来ているのが2026年です。

実際、中小企業経営者への調査でも、資金繰りに影響を与える要因の1位は原材料・仕入価格の上昇で51%でした。

次いで売上減少が29%、人件費の増加が21%となっています。

いちばんまずいのは「気づくのが遅れること」

資金繰りで会社が行き詰まるとき、多くの場合、原因は業績そのものではありません。

気づくのが遅れることです。

通帳の残高だけを見て経営していると、3か月後に足りなくなることに気づけません。

気づいたときには、打てる手が減っています。

銀行に相談に行くにも、タイミングがあります。

資金が尽きる1か月前に駆け込んでも、できることは限られます。

逆に、半年前に「このままだとこうなりそうです」と数字を持って相談に行けば、話はまったく変わります。

つまり資金繰りの問題は、金額の問題である前に、時間の問題なのです。

資金繰り表は、精密でなくていい

「資金繰り表を作りましょう」と言われて、身構える社長は多いと思います。

会計ソフトの画面を開いて、そのまま閉じた経験がある方もいるでしょう。

ですが、必要なのは精密な表ではありません。

向こう6か月、月末の残高がいくらになるか。

これが分かれば、目的の8割は達成できます。

必要な材料は4つだけです。

1つ目、今の預金残高。

2つ目、毎月だいたい入ってくる金額。

3つ目、毎月だいたい出ていく金額。

4つ目、決まっている大きな支払い(税金、賞与、車検、保険など)。

この4つがあれば、AIが表にしてくれます。

コピーして使える、資金繰り表のプロンプト

プロンプト例(6か月分の資金繰り表を作る):
あなたは中小企業の財務に詳しい税理士です。
以下の情報から、今月を起点に6か月分の資金繰り表を作ってください。

・業種と規模: 【従業員16名の運送会社】
・現在の預金残高: 【1,800万円】
・毎月の入金(平均): 【売上入金 2,400万円】
・毎月の出金(平均): 【仕入・外注 900万円、人件費 780万円、燃料費 260万円、家賃・リース 120万円、その他経費 180万円】
・借入の返済: 【毎月 95万円(2026年6月から。それ以前は利息のみで月8万円)】
・決まっている大きな支払い: 【7月に賞与480万円、8月に納税220万円、11月に車検関係90万円】

次の形式で出してください。
1. 月ごとの「入金合計・出金合計・差引・月末残高」の表
2. 月末残高が最も少なくなる月と、その金額
3. 残高が月商の1か月分を下回る月があれば、その時期
4. いま打てる手を、効果が大きい順に5つ

ここで大事なのは、数字が多少ざっくりでもかまわないということです。

「だいたい」で作った表でも、危ない月がいつなのかは見えます。

それが見えれば、動く時期が決まります。

銀行に持っていく説明資料もAIで作れる

資金繰り表ができたら、次は銀行です。

ここで多くの社長が損をしています。

口頭で「ちょっと厳しくて」と伝えるのと、紙を持って行くのとでは、行内での扱いが変わるからです。

銀行の担当者は、社長の話を上司や本部に説明する立場にいます。

そのとき使える材料を渡してあげると、話が通りやすくなります。

プロンプト例(銀行に出す説明資料の下書き):
あなたは中小企業の資金調達を支援するコンサルタントです。
取引銀行に提出する「今後の資金繰りと対応方針」の資料を、A4用紙1枚にまとめてください。

・会社の状況: 【従業員16名の運送会社。売上はコロナ前の水準に回復】
・借入の状況: 【2020年のゼロゼロ融資4,000万円。2026年6月から元金返済が開始し、月次返済額が約3倍になった】
・厳しくなっている要因: 【燃料費が3年前比で約25%上昇、人件費が2年で約8%上昇、運賃への転嫁は約半分にとどまる】
・自社で進めている対策: 【不採算の配送ルートを2本廃止、荷主3社に運賃改定を申し入れ中、車両更新を1年延期】
・銀行にお願いしたいこと: 【返済条件の見直し(期間の延長)】

次の構成で書いてください。
1. 現状の要約(3行以内)
2. 資金繰りが厳しくなっている理由を、数字で示す
3. 自社で既に実行している対策と、その効果の見込み
4. 銀行にお願いしたい内容と、その根拠
5. 今後6か月の見通し

言い訳がましい表現は避け、事実と数字を中心に、簡潔な文体で書いてください。

注意点として、この下書きはそのまま提出してはいけません。

数字が合っているか、必ず自分の目で確認してください。

AIは、渡した情報の範囲でしか正しく書けません。

相談先は、銀行だけではない

もう1つ、覚えておいてほしいことがあります。

返済条件の見直しについては、公的な相談窓口があります。

各都道府県の中小企業活性化協議会、商工会議所、信用保証協会。

いずれも無料で相談できます。

ところが地方では、こうした伴走支援を受けた経験がある企業は32.6%にとどまっています。

全国平均は57.2%ですから、25ポイントの差があります。

使っていないだけで、窓口はもう地元にあるのです。

まとめ

2026年は、据置期間の終了と金利上昇とコスト増が重なる年です。

資金繰りの問題は、金額の問題である前に、時間の問題です。

向こう6か月の月末残高が見えていれば、動く時期が決まります。

その表は、ざっくりした数字でもAIが作れます。

そして表ができたら、残高がいちばん減る月の3か月前には、銀行に持っていってください。

早く行くほど、選べる手は多くなります。

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