商工会も銀行も使っていない社長へ 相談に持っていくメモをAIで作る

仕事効率化・副業

商工会議所の会費は毎年払っている。

けれど、相談で使ったことは一度もない。

そういう社長は、実はかなり多いのです。

地方で伴走支援を受けた経験がある企業は32.6%。

全国平均は57.2%ですから、25ポイントの差があります。

裏を返せば、地方では7割近くがまだ使っていないということになります。

この記事では、公的な支援窓口が使われない理由を整理したうえで、生成AIを使って「相談に持っていくメモ」を作る具体的な手順を紹介します。

登場する会社や人物に実在のモデルはなく、地方でよく聞く困りごとを組み合わせて描いた架空の設定です。

よくある状況: 従業員9名の地方の印刷会社。二代目社長で在任8年。売上は5年前から約2割落ちている。商工会議所には入会しているが、使うのは新年会と労働保険の手続きだけ。よろず支援拠点という名前は聞いたことがあるが、何をしてくれる場所か知らない。

窓口はもう地元にある。使われていないだけ

まず、どんな窓口があるのかを整理しておきます。

いずれも無料で相談できます。

よろず支援拠点

各都道府県に1か所ずつ設置されています。

売上、資金繰り、人材、IT、どんな相談でも入口になります。

相談回数の制限は原則ありません。

商工会議所・商工会

経営指導員が常駐しています。

補助金の申請支援、経営計画づくり、金融のあっせんまで扱います。

事業承継・引継ぎ支援センター

後継者の問題、第三者への引き継ぎ、M&Aの相談窓口です。

中小企業活性化協議会

返済条件の見直しや、再生計画づくりの相談ができます。

金融機関の本業支援担当

融資とは別に、販路や人材の相談に乗る部署を持つ地銀・信金が増えています。

それでも使われない、3つの理由

これだけ用意されていて、なぜ7割が使わないのか。

現場で聞く理由は、だいたいこの3つに集約されます。

理由1: 相談するほどのことでもない気がする

いちばん多いのがこれです。

困ってはいるけれど、「これは相談することなのか」が自分でも分からない。

結果として、行かないまま何年も過ぎます。

理由2: 何を聞かれるか分からないので身構える

決算書を全部見せろと言われたらどうしよう。

経営の甘さを指摘されたらどうしよう。

こうした不安で足が止まります。

理由3: 一度行ったが、話が噛み合わなかった

これも少なくありません。

ただ、その原因は相手の質だけではないことが多いのです。

持ち込んだ相談の形が漠然としていると、相手も一般論しか返せません。

地方と全国で、支援の使われ方はこれだけ違う:
項目地方全国
伴走支援を受けた経験がある32.6%57.2%
特に経営課題はないと回答24.3%8.1%
DX対応を課題に挙げた8.3%19.0%

「地方」は東京および政令指定都市を除く地域として集計されています。課題を挙げない企業ほど、支援窓口にもつながっていない傾向が読み取れます。
出典: フォーバル GDXリサーチ研究所調べ「BLUE REPORT 特別号」(2026年3月23日発行。地方調査は有効回答300人・2025年12月23〜24日、全国調査は有効回答1,570人・2025年11月11日〜12月12日、いずれもウェブアンケート)(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000392.000104276.html)

相談の質は、行く前の準備でほぼ決まる

ここが本題です。

支援機関の担当者は、経営の専門家ではありますが、あなたの会社のことは何も知りません。

ですから最初の30分は、状況を説明するだけで終わります。

1時間の相談枠なら、実質の相談時間は30分です。

ところが、A4用紙1枚のメモを最初に渡すとどうなるか。

説明が5分で終わり、55分を中身に使えます。

同じ無料相談でも、得られるものがまったく違ってきます。

そして、そのメモはAIで作れます。

コピーして使える、相談メモのプロンプト

プロンプト例(支援機関に持っていくA4メモを作る):
あなたは中小企業診断士です。
私がこれから公的な支援機関に相談に行くにあたり、担当者に最初に渡すA4用紙1枚のメモを作ってください。

・業種と規模: 【従業員9名の印刷会社、地方都市】
・創業年と自分の代: 【創業48年、二代目、社長就任8年目】
・売上の推移: 【5年前は1億2,000万円、直近は9,600万円】
・取引先の構成: 【地元の企業と自治体が中心。上位3社で売上の約5割】
・困っていること: 【売上の減少が止まらない、新しい仕事の取り方が分からない、社員の平均年齢が55歳】
・すでに試したこと: 【ホームページを作ったが問い合わせはほぼゼロ、チラシの配布を年2回】
・相談したいこと: 【何から手をつけるべきか、優先順位をつけたい】

次の構成で、簡潔に書いてください。
1. 会社の概要(3行以内)
2. 現在の状況を、数字で示す
3. 困っていることを、重要な順に3つ
4. すでに試したことと、その結果
5. 相談で聞きたいこと(具体的な質問の形で3つ)

専門用語は避け、初対面の担当者が5分で状況をつかめる書き方にしてください。

ポイントは、5番目の「具体的な質問の形で3つ」です。

「どうしたらいいでしょうか」では、一般論しか返ってきません。

「上位3社に依存している状態から抜けるために、まず何を調べるべきですか」なら、具体的な答えが返ってきます。

もう1つ、事前に不安を潰しておくプロンプトも紹介します。

プロンプト例(聞かれそうなことを先に洗い出す):
私は、よろず支援拠点に初めて相談に行きます。
【上に書いた会社の状況をここに貼り付ける】

相談員から聞かれる可能性が高い質問を10個、想定して挙げてください。
そのうち、私が事前に数字を用意しておくべきものには印をつけてください。
また、答えに困りそうな質問については、どう答えるのが誠実か助言してください。

身構える理由の多くは「何を聞かれるか分からない」ことでした。

先に分かっていれば、行きやすくなります。

1回で終わらせず、続けて使う

支援窓口は、1回きりの相談所ではありません。

伴走支援という言葉のとおり、続けて関わってもらうことが前提の仕組みです。

初回で全部が解決することは、まずありません。

「次回までにこれを調べてきます」という宿題を持って帰り、また行く。

この往復が3回か4回続くと、会社の課題がはっきりしてきます。

そして、はっきりした課題には補助金や専門家派遣といった次の支援がつきます。

入口でつまずいたまま何年も過ぎるのが、いちばんもったいない状態です。

まとめ

公的な相談窓口は、もう地元にあります。

地方で使っているのは32.6%、つまり7割近くが未活用です。

使われない最大の理由は「相談するほどのことでもない気がする」でした。

ですが、漠然としている段階こそ、他人の口を借りる価値があります。

行く前にA4用紙1枚のメモを作れば、1時間の相談が55分の中身に変わります。

そのメモは、今日30分あればAIで作れます。

会費を払っているのに使っていないなら、それは一番もったいない固定費です。

公的支援を使いこなしたい方へ: YouTubeチャンネル「社長のAI参謀」では、中小企業の社長向けにAIの使い方を動画で解説しています。

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