会議のあと「誰がやるんだっけ」になる会社へ。手書きのメモからAIで決まったことと期限を出す

会議のあと「誰がやるんだっけ」になる会社へ。手書きのメモからAIで決まったことと期限を出す 仕事効率化・副業

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トマトのハウスの横に建てたプレハブで、毎週月曜の朝、7人が集まります。

話すのは、その週の収穫の見込み、直売所の品出し、パートさんのシフト、機械の調子。

社長がホワイトボードに書きながら進めて、25分ほどで終わります。

字は社長の右上がりのくせ字で、話が早いときは単語と矢印だけになります。

終わると、みんなそのまま長靴でハウスに戻っていきます。

ボードの字は、昼の休憩のあと、出荷の数を書くために消されます。

木曜になって、直売所の係が言いました。

「のぼり旗の注文って、誰がするんでしたっけ」

月曜に話したのは全員が覚えていました。

誰がやると決めたのかは、誰も覚えていませんでした。

よくある状況: ハウス栽培のトマトと、道の駅や自前の直売所での販売をしている農業法人。社員とパートを合わせて16名。会議は週1回、プレハブのホワイトボードの前で立ったまま。議事録を取る係はいない。会議の録音もしていない。

ボードには「話したこと」しか残っていない

消される前のボードを、スマホで撮っておく人はいました。

写真を見返すと、こう書いてあります。

「のぼり 古い 色あせ →新しく 10本?」

話題が出たことは分かる。

それが「頼むと決まった」のか「頼もうかという話が出た」だけなのか、この1行からは読めません。

担当の名前も、いつまでに、も書いていない。

会議の場では、社長が「じゃあ、それは頼んどいて」と誰かのほうを向いて言ったのかもしれません。

言われた本人がそれを自分のことだと思ったかどうかは、また別の話です。

全員がいるうちに、写真をAIに読ませる

録音の道具も、議事録の係もいらない方法があります。

会議の終わりに、ボードの写真を1枚撮る。

手帳やノートにメモを取った人がいれば、そのページも撮る。

社長のスマホで使っているAIを開き、画像を添付するボタンから写真を選びます。入力欄には、こう打って送ります。

ここまでを、全員がまだプレハブにいるうちに済ませます。

ボードの写真から決まったことを出す文:
添付は、社内の会議で書いたホワイトボードの写真。
書いてある項目を1つずつ、次の4列の表にすること。
「書いてあること」「決まったことか、話が出ただけか」「担当」「期限」
担当と期限は、写真に書いてある場合だけ埋める。
書いていなければ「空欄」と書く。
決まったか、話が出ただけか、写真から判断できないものは「不明」と書く。
人の名前を推測で入れない。
読めない字は「判読できず」と書く。

最後の2行は、削らずに入れておきます。

これを入れずに頼むと、AIは表の空いた所を、ありそうな内容で埋めてきます。

「直売所の担当者」「今週中」のように、誰かが決めたような顔の担当と期限がついた表が返ってくる。

一見きれいにまとまっていても、それは会議で決まったことではありません。

ボードのほかに、ノートにメモを取っていた人がいれば、写真は2枚、3枚になります。

そのときは、頼む文の最後に1行足します。

「写真どうしで、担当・期限・数が食い違っている所があれば、表とは別に書き出すこと」

ボードには「10本?」、直売所の係のノートには「8本」と書いてある、といったずれが出てきます。

どちらが正しいかを、AIに決めさせる必要はありません。

ずれがあると分かれば、その場で本人どうしに聞けば済みます。

返ってきた表は、たとえばこういう形です。

返ってくる表の例:

書いてあること 決まったか 担当 期限
のぼりを新しく、10本? 不明 空欄 空欄
2号ハウスの換気扇、修理を頼む 決まった 空欄 水曜
来月のシフト希望、20日締め 決まった 判読できず 20日

社長はこの表を、立ったまま上から読み上げます。

読むのは、空欄と「不明」と「判読できず」の所だけで構いません。

「のぼりは、頼むの、頼まないの」

「換気扇は、誰が業者に電話する」

その場で返事が出たら、表のその欄を声で埋めていきます。

名前を呼ばれた人が「はい、自分です」と口に出すまで、次の行には進みません。

うなずいただけでは、木曜にまた「誰でしたっけ」が起きます。

答えが出ないものは、「来週もう一度話す」と書けば、それも決まったことの1つになります。

3行の表なら、読み上げから埋め終わりまで、5分ほどです。

AIの字の読み違いは、ボードの前で直す

手書きの写真は、AIが読み違えることがあります。

「2号」を「Z号」と読む。

崩した「済」を「消」と読む。

ボードがまだ消されていないうちなら、書いた本人が見比べて、すぐに直せます。

昼を過ぎてから表を作ると、元の字が消えていて、直しようがありません。

困るのは、人の名前の読み違いです。

くせ字の「浜田」が「浜口」になると、担当の欄に社内にいない人の名前が入ったまま、表がきれいに出来上がります。

担当の列だけは、名前を呼ばれた本人に、自分の目で見てもらいます。

写真を撮る前に、ボードの端に担当の名前を書き足しておく手もあります。

名前は、話が決まったその場で、矢印の先に一言書けば済みます。

ボードには、取引先との値段の話や、パートさんの家の事情が書かれることもあります。

そういう行は、写真を撮る前に消すか、手で隠して撮ります。

埋まった表は、全員が見る場所に置く

埋め終わった表は、AIに「この表を、LINEに貼れる文にする、1行に1項目で、担当と期限を先に書く」と頼んで、短い文にします。

それを社内のLINEのグループに貼る。

パソコンを開かない人でも、スマホなら昼休みに見ます。

紙に印刷して、プレハブの入り口の冷蔵庫に貼っておく手もあります。

次の月曜は、その紙を見ながら始めます。

始めに、先週の行を1つずつ「済んだ」「まだ」「やめた」で読んでいく。

「まだ」が続いた行は、担当か期限のどちらかが合っていないので、そこで決め直します。

「やめた」も、きちんと1行として残します。

やめたことが書いていないと、3か月後に同じ話がもう一度出て、また同じ話し合いに時間を取られます。

AIに表を作らせるたびに、前の週の表も一緒に貼っておけば、「先週の表から消えた行」を挙げさせることもできます。

消えた行は、済んだのか、やめたのか、忘れたのか。

そこを聞くのは、AIではなく社長の役目です。

この農業法人で表を作り始めて2週目の月曜、冷蔵庫の紙には7行が並んでいました。

紙の下の余白には、パートさんの字で「冷蔵庫の上の段、空けてください」と書き足してありました。

期限を過ぎて「まだ」のままの行は、1行だけありました。

道の駅に出す新しい箱のデザインを、金曜までに決める。

担当の欄に書いてあったのは、社長の名前でした。

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登場する人と会社に、実在のモデルはありません。アイキャッチのイラストはAI生成です。

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