ホームページから問い合わせが来ない会社へ。お客がフォームの前で止まる理由をAIで点検する

ホームページから問い合わせが来ない会社へ。お客がフォームの前で止まる理由をAIで点検する 仕事効率化・副業

夜の10時40分、布団の中でスマホを見ている人がいます。

浴室の床が冬になると冷たくて、そろそろ直したい。

近所のリフォーム会社のホームページを開いて、施工事例を3件見た。感じは悪くない。

「お問い合わせはこちら」を押す。

お名前、ふりがな、郵便番号、住所、電話番号(必須)、建物の種類、築年数、ご予算、ご希望の時期、お問い合わせ内容。

親指で2回スクロールしたところで、画面を閉じました。

アクセス解析を入れていなければ、会社の側には何も残りません。見られた記録も、やめた理由も。

よくある状況: 従業員12名の地方のリフォーム会社。ホームページは5年前に知り合いの業者に作ってもらった。施工事例は社長がときどき足している。仕事は電話と紹介で来ていて、フォームからの連絡は年に数件。フォームの項目は、作ったときから誰も触っていない。

社長のパソコンと、お客のスマホは別の画面

社長がフォームを確かめるのは、たいてい事務所のパソコンです。

パソコンだと、項目は1画面に収まって見えます。多いとは感じにくい。

ネットを見る道具は、パソコンよりスマホ:

項目 数値
インターネットに使う端末 スマートフォンがパソコンを27.6ポイント上回る
スマートフォンを使う人(20〜59歳) 各年齢層で9割
同(60〜69歳) 約8割

令和6年8月末時点、世帯主が20歳以上の世帯とその6歳以上の構成員(40,592世帯)が対象です。
出典: 総務省「令和6年通信利用動向調査の結果」(2025年5月30日公表)(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/250530_1.pdf)

60代でも、10人に8人はスマホでネットを見ています。

浴室の床のことを夜に調べる人が、わざわざパソコンを立ち上げるとは考えにくい。

一度、自分のスマホで自社のフォームを最後まで入力してみると分かります。

郵便番号を打って、住所が自動で入らなかったとき。電話番号の欄で、ハイフンを入れたら赤い字が出たとき。

そのあたりで、指が止まります。

その前に、フォームは本当に届いているか

5年前に作ったフォームなら、最初に自分で1通送ってみます。

届く先のメールアドレスが、辞めた事務員さんのものになっていた。迷惑メールのフォルダに、半年分たまっていた。どちらも珍しい話ではありません。

送った1通が、社長のスマホに届くまで何分かかるか。送ったあとの画面に「送信しました」と出るか。お客側に届く自動返信のメールは、いまの会社名と連絡先になっているか。

届かなければ、項目の話より先に、作った業者に「フォームのメールが届かない。送信の設定を見てほしい」と連絡です。

止まりやすい場所は、だいたい決まっている

まだ相談する前の段階なのに、見積もりの書類のように築年数や予算を聞いている。

電話番号が必須で、「かかってくるなら、今日はやめておこう」となる。

大きな空欄に「お問い合わせ内容」とだけあって、何から書けばいいか分からない。

送ったあと、いつ返事が来るのかがどこにも書いていない。

料金の目安が無く、「聞いたら高くて、断りにくくなったら困る」と思わせてしまう。

作ったときは、どれも必要だと思って入れた項目です。だから社長の側からは見えにくい。

スクリーンショットをAIに渡して、お客として読ませる

見えにくい所を見るのに、AIが使えます。ChatGPTでもClaudeでもGeminiでも、無料の範囲で足ります。

自分のスマホでフォームのページを開き、上から下までスクリーンショットを撮る。長ければ3枚でも4枚でも構いません。

入力欄のそばにある、画像を添付するボタン(クリップや「+」の形)から、撮った画像を選びます。そのうえで、次の文を貼ります。

渡すのは、フォームの画面だけです。過去に届いた問い合わせの本文にはお客さんの名前や住所が入っているので、貼りません。

AIに渡す文(そのまま使えます):
あなたは、浴室のリフォームを考えている60代の人です。
夜、スマホでこの会社のホームページを見て、問い合わせをするか迷っています。
添付の画面を上から順に見て、次の3つを答えてください。
1. 送るのをやめたくなった場所と、その理由
2. 書き方が分からなかった項目
3. 送る前に知りたかったのに、どこにも書いていなかったこと
会社をほめる必要はありません。お客として、正直に書いてください。

答えが返ってきたら、「60代の人」を「30代の共働きの人」に書き換えて、もう一度聞きます。

年代を変えても同じ所を指されたら、そこが直す候補です。

片方にしか出なかった指摘は、いったん脇に置いておきます。

AIの答えは、お客の本音ではない

AIが言うのは、「こう感じる人もいそうだ」という見立てです。

当たっているかどうかは、本物のお客さんにしか分かりません。

最近、電話で連絡をくれたお客さんがいたら、工事の打ち合わせのついでに聞いてみてください。

「うちに連絡するとき、ホームページのフォームは使いませんでしたか」

「見たけど面倒そうだったから、電話にした」と返ってくることがあります。AIの見立てより、この一言のほうが重い。

直すのは3か所だけにする

点検すると、直したい所が10も20も出てきます。

全部やろうとすると、また業者に見積もりを取る話になって、半年止まります。

最初は、必須の項目を「お名前」「メールアドレス」「ご相談内容」まで減らす。電話番号は任意にします。築年数や予算は、返事のやりとりの中で聞けます。

ご相談内容の欄には、薄い字で書き出しの例を入れる。「例: 浴室の床が冷たい。見積もりだけでも来てもらえますか」くらいの1行で、書き始めやすくなります。

この例文は、AIに「浴室や台所のリフォームで、お客が最初に書きそうな一言を10個」と頼むと出てきます。自社の仕事に近いものを2つ選べば足ります。

送信ボタンのすぐ上には、「2営業日以内にメールでお返事します」と書く。

書く日数は、忙しい月でも守れる数にしてください。3月の繁忙期に「翌日」は守れません。

この3か所なら、作った業者に頼むときも「必須を3つに、例文を1行、返事の日数を1行」と一言で伝わります。

4分かかった

冒頭のリフォーム会社の社長は、点検の最初に、自分のスマホで自社のフォームを最後まで入力してみました。

郵便番号を打ち直すのに1回、電話番号のハイフンで1回つまずいて、送信を押すまで4分。

すぐに自動返信のメールが届きました。

末尾の署名には、3年前に辞めた事務員さんの名前が残っていました。

フォームを直すつもりが、ホームページごと作り直す話になった方へ: このブログの運営者は「ことばとコード」の屋号で、小さな会社のホームページとLPを、原稿づくりから問い合わせフォームの設置、公開まで受けています。

ことばとコードのサービスを見る →

運営者自身のサービスの案内です。

登場する人と会社に、実在のモデルはありません。アイキャッチのイラストはAI生成です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました